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POLYSICS COLORS スペシャルインタビュー

全員揃いのバイザーにツナギという出で立ちに加え、特異なパフォーマンスと、爆音ギターとコンピュータ・ミュージックを融合させたサウンドで唯一無二の存在感を示し続けるPOLYSICS。
紆余曲折を経ながらも3人体制となって6年、そして今年、結成19周年を迎えた彼らの現在の立ち位置とは? そして、この先向かうところは?

●プロのミュージシャンになりたいと思ったきっかけについて教えてください。

ハヤシ:高校の卒業式前日がPOLYSICSの初ライブだったんですけれど、高校生の時からこういうことやりたいなとは思ってて……。ただ、こういう音楽のスタイルは、プロとしては成り立たない、特殊なんでね。だから、(プロになりたいとは)あんまり考えてなかったですね、最初の頃は。でもやっていくうちに、ライブハウスの人だったり、あと下北沢で活動するようになって、事務所のUKプロジェクトやレーベルの人とかが面白がってくれるのを見て、これはこれで自分のやりたいことがたくさんの人に楽しんでもらえるかもしれないと思って。そこで初めて頑張ってみようかなと思いましたね。

フミ:私、楽器を始めた時はプロになろうって感じではなかったですし、POLYSICS加入の前に別のバンドをやってた時も、ライブとかの“場”が好きではありましたけど……。やってくうちに、だんだん音楽で生活している人が周りに増えてくるんで、そういう人たちを見て、いいなと思ったのがきっかけかな。私もああいう風になれたらいいなと思ったけど、それよりも好きっていうのが大きかったですかね。

ヤノ:高校の時は、ただ好きでバンドをやってたんですけど、ESPミュージカルアカデミーに入ってからプロとしてやっていきたいと思うようになりました。

●紆余曲折あった中でも19年間続けてきたわけじゃないですか。長く続けるためにはコツとか秘訣とかあったりするんですか?

ハヤシ:POLYSICSって、けっこうメンバー・チェンジが激しかったんですね。2回目のライブでメンバー変わってたりしてたんで。そんなのがあって、今のメンバーになって6年?

ヤノ:3人体制になって、6年ですね。

ハヤシ:ヤノが加入する前にはドラマーが3人も変わったりしてたんで、なんかその時その時、必死で続けてて気づいたら、15年目まであっという間って感じでしたね。もう15年か、みたいな。

フミ:息つく暇がなかったんだよね。落ち着くかなと思ったら脱退、みたいなのが、5年ごとくらいにあったりとかして。

ハヤシ:僕が描く“新しいPOLYSICSはこういう形だ”っていうのを具現化するのを試行錯誤していったら15年経ってたっていうのが正直なところで。秘訣というかずっと活動してて気づいたことは、現状に満足してはいけない、常に新しいことを提示していかないといけないってことですね。続けようかどうしようかっていうのは、そのアイディアが尽きたところで考えることが多いかもしれないですけど、常にアンテナを張り巡らして、“次のPOLYSICSはこういうことしたい、ああいうことしたい”っていう好奇心を常になくさないでいれば、やりたいことが尽きるってことはないですね。

●結成当初から、日本というよりも海外を見てたっていうところはあるんですか?

ハヤシ:ないです。2000年にキューン・レコード(現ソニー・ミュージック)からメジャーデビューしたタイミングで、アメリカで1回やってみようってなって。その時は『サウス・バイ・サウス・ウエスト』に出たんですけど、そこまで自分たちの中でがっつりアメリカでっていうことはなくて。2003年にアメリカでのリリース(『NEU』)が決まって、じゃあツアーをやろうって。そこから本格的に海外でも活動するようになりましたね。

常に新しいことをしたいんで、そういったPOLYSICSの面白い部分をお客さんにどうやったら伝え続けていけるのか。その上で、どう長く続けていくのかっていうところしか考えてないかな。

●アルバムでもシングルでもライブでもいいのですが、いくつか転換点があったと思うんですよ。ココ、コレっていうのを教えてください。

ハヤシ:アメリカだけじゃなくて、イギリスなどヨーロッパでやるようになって、かつヤノが入って初めてのアルバム『Now is the time!』(2005年10月リリース)は、やっぱりそれまでの自分たちの活動と何かが変わった瞬間ではありましたね。ちょっと逆輸入的な感じで話題になりましたし。……自分たちのライブのやり方も、それまでは持ち時間が30分でも1時間でも同じだったんですね、見せ方として。完全燃焼するという、それが自分たちのスタイルだったんですけど、海外きっかけというか、POLYSICSに興味を持ってもらえるライブはどういうものだろう?って意識するようになったのが、ちょうどその頃だったんですよね。日本でもフェスが増え始めてきた時期で、曲は変わらないんですけど見せ方を変えることで、お客さんがすごく楽しんでくれるようになったんですね。盛り上がるようになった。あれは自分の中で大きなエポック的な出来事でしたね。それまで僕ら、ハンド・クラップなんてやったことなかったんですよ。お客さんに興味を持ってもらいたいけど、自分達たちがやってる音楽のスタイルは変えたくないってところで、ハンド・クラップだったり、みんなで歌おうとか、そういう煽り、パフォーマンスをすることで、会場が一体になる感じはかなり大きかったですね。そこから、かなりライブのやり方も変わってきたし、曲作りも変わってきました。

●『ロック・イン・ジャパン・フェスティバル』をはじめ、フェスにいっぱい出てらっしゃるじゃないですか? 日本の各フェスの特徴であったりとか、日本のフェスと海外のフェスの違いとかについて教えてください。

ハヤシ:日本のフェスもね、『フジロックフェスティバル』と『ロック・イン・ジャパン・フェスティバル』は全然違うし。以前は、音楽好きな人がフェスには来るイメージが強かったですけど、今は普通の人が来るようになってきて……普通の人っていうのはあれですけど。

フミ:濃ゆい音楽ファンだったよね。

ハヤシ:その楽しみ方をわかってる人たちも今だに来てますけど、それより、そこまで音楽好きではないけど、なんか楽しそうだから空間を味わいに行こうっていう感じで、いわゆる、花火行こうぜみたいな感じでフェス行こうっていう、普段そこまで音楽好きじゃないけれど音楽聴く人たちが来るようになってから、だいぶフェスの空気感が変わりましたね。ちょっとマニアックなことを喜ぶ人が音楽好きには多かったけれど、ちょっとマニアックなことをすると一気に伝わらないことになったりとか、そことのバランスみたいなのは、POLYSICSはけっこう意識しますけどね。この場が楽しければ盛り上げてOK、みたいなところも、例えば『ロック・イン・ジャパン』も時間帯によって考えたりとか。朝一で出る時、夕方に出る時、トリで出る時みたいなのも考えたりするし。でも2010〜2012年ぐらいかな〜、だいぶお客さんのムードが変わってきた気がしますね。DJブースひとつ取ってみても、僕とかDJやってたりするんですけど、伝わってた時期と伝わらない時期の境がありましたもんね。ちょっとマニアックなもので自分のコアな部分を見せてOKだった空間が、今それをやると伝わらなくなってきてるなというのが……そことのバランスみたいなものは、だいぶ考えなきゃいけなくなったなって思います。

ヤノ:POLYSICSみたいに、これだけ長い間出ていると、それって如実にわかりますよね。

ハヤシ:あとは日本と海外のフェスとの違いのひとつとして、会場の一体感は違うかな。みんなと同じ動き、例えばサビで手を上げたりだとかするのが日本のオーディエンスで、それって、祭り文化が根付いてるからだと思うんですけど、海外はもっと適当というか、各々楽しんでる感じですよね。

フミ:バラバラだし、あんなにギュウギュウになることないもんね。前の方にいってもみんなそれなりのおしゃれをしてゆったりお酒を飲みながら観るみたいな感じだよね。

ヤノ:それはそれでいい感じだよね。そういう楽しみ方もある。ヨーロッパでフェスに出た時も、“さあ、みなさん”っていう感じよりは、音楽的にマニアックなことをやってもそこで異様に反応してる人がいたりとか、すごいゆったりしたテンポで踊ったり、激しく踊りまくったりだとか、“ここでこんなに盛り上がるんだ?”っていうのを、特にフランスの時に思いました。

●日本とか世界は関係なく、音楽シーンにおけるPOLYSICSの立ち位置はどの辺りだと思っていますか?

ハヤシ:コカ・コーラ社が出してる『ドクターペッパー』ってあるじゃないですか。シーンの中の自分たちの立ち位置と近くて……19年やってるのもあるんですけど、でも極端なバンドだと思ってて、好きな人はすごい好きで、でも受け付けない人はまったくわからないみたいなのは、『ドクターペッパー』と立ち位置が似てるなと思いますね。ただ、“じゃあ、わかんなきゃ、わかんないでいいんだよ”っていう風には思っていないというか。自分たちは自分たちでバランスを大事にしつつ、たくさんの人に曲は聴いていただこうと思っているので、そこは『ドクターペッパー』でOKなわけじゃないですけど。「Dr Pepper!!!!!」って曲を作るのにあたって、自分たちの立ち位置に似てるなと思って曲にした部分はありますね。

ディーヴォにロックを教えてもらった、
パンク魂を教えてもらった

●ずっと「ディーヴォ愛」みたいなことを言われてますけど、そのディーヴォも含めて、みなさんが影響を受けたアーティスト、アルバムとかを教えてほしいんですが。

フミ:私はXTCの『ドラムス・アンド・ワイアーズ』が好きで。POLYSICS入る前って、そういう音楽をあんまり聴いてなかったんですよ。最初はディーヴォ聴いたんですけどちょっとダメで、いろいろ聴いてて面白いなと思ったのがXTCだったんで。今だに、すごい根っこにありますね。

●『ドラムス・アンド・ワイアーズ』以外でアルバムを何枚か挙げるとしたら?

フミ:初期の頃のほうが好きですね。『ホワイト・ミュージック』とか『ゴー 2』とか。

ハヤシ:パンクなね?

フミ:うん。

ハヤシ:(XTCの)アンディ・パートリッジってビートルズの直系だけど、そこをヒネくった感じでやるから、すごい好きなの、俺も。フミは、ビートルズが好きなんだよね?

フミ:ビートルズ好きです。ハヤシはあんまりビートルズ好きじゃないもんね。

ハヤシ:そうだね。僕はビートルズをまったく通ってないので。僕にとってのビートルズはXTCなので。はっきり言ったけど(笑)。

●ハヤシさんは、他はどうなんですか?

ハヤシ:僕はディーヴォは好きなんですけど……アルバムはもちろん好きなんですけど、ディーヴォに何を教わったかというと、“人と同じことをやるということはロックじゃないよね”っていう。そこは今だに教えというか、芯の部分はずっと貫きたいかな。ディーヴォのメンバーと対談した時にすごいそれを感じたし、ディーヴォにロックを教えてもらった、パンク魂を教えてもらったっていうのはありますね。

●世代的にはリアルタイムじゃないですよね?

ハヤシ:そうですね。

●どうやってディーヴォに行き着いたんですか?

ハヤシ:きっかけはナゴムでしたね。有頂天を知って、有頂天の流れを遡っていったんです。

フミ:MVが衝撃だったんだよね、「サティスファクション」かな?

ハヤシ:そうですね。最初、アルバムを片っ端から買っていって、パンクでシンセがこんなにピュンピュンいってるのは面白いなと思ったんですけど、MVを観た時に“これはなんだ?”と思ったんです。それまで、洋楽を聴く機会があんまりなかったんですね。当時、第一次バンド・ブームで、ウチにはお姉ちゃんがいて、家ではJUN SKY WALKER(S)とかブルーハーツ筋肉少女帯とかが流れてて、僕は最初に筋肉少女帯にハマって、それで邦楽ばっかり聴いてたんですけど、洋楽で初めて衝撃を受けたというか、もう“これだ!”と。髪長いとかドクロとか怖いし、黒みたいなイメージ……。

フミ:ロックのね。

ハヤシ:が、まったくないし、でも黄色いジャンプ・スーツ着てロボットみたいな動きをして。ちょうどライブ・シーンも入ってるようなMVだったんですけど、汗だくなのに暑い顔せず、クールな顔をして謎のパンクをしているのに、ものすごい衝撃を受けました。“俺もこれをやる”って。

フミ:髭、長髪じゃなくてもいいんだ、みたいなね。

ハヤシ:シンセとか持っててテクノ・ポップ好きだったんだけれど、周り含めて時代的にはアンダーワールドとか、ダンスミュージックが流行ってたんです。でも、そっちはあんまりやりたくないなって感じで、何したいかっていう時に、僕がやりたいと思ったのがディーヴォだったんですよね。中指を立てることが一気にダサく感じて、それより何しでかすかわからない……ケンカ弱そうな青年たちがツナギ着て謎のパンクやってることに、何しでかすかわからない狂気を感じた。それが自分の性格とがっちりハマったんですね。

●あえて1枚アルバムを選ぶとしたらどれですか?

ハヤシ:うーん……難しいな。でも、やっぱり1st『頽廃的美学論』(原題:『 Q:Are We Not Men? A:We Are DEVO!』)ですかね。発明ですね(笑)。 

●ヤノさんはどうですか?

ヤノ:え〜、なんだろうな。一番最初に聴いたのはD'ERLANGERとかのV系だったので……うちの地元(愛媛県今治市)はそういうのが根強いんですよ、あと、ジャパメタだったり。そういうところからの影響はあるかもしれないですね。

●音楽以外で影響を受けてるものってありますか? 映像作品だったりとか。

ハヤシ:僕はやっぱり特撮ですね。昭和の『ウルトラマン』がすごい好きで……ストーリーも好きなんですけど、怪獣の造形がすごい好きで、普段ありえないもの同士、例えばコウモリとトカゲをあわせて宇宙人ができたりだとか、それがキャッチ―な存在になって、子供がそれを絵に描いたりソフビで遊んだりするっていう……。造形師で成田亨さんっていう人がいるんですけど、その人のデザインがすごい好きで、無意識のうちに好きだったんですけど、今思えば、自分のやってる音楽もテクノ・ポップがルーツにありながらもパンクだったり、ガレージ・サーフだったりメタルだったり、そういうものをミックスしてオリジナルの楽曲、スタイルにしているのは、その人の影響が無意識にあったのかもしれないっていうのは、大人になって感じたことですね。今だにやっぱり好きなんで。

フミ:バンドとか音楽に対する、音楽以外からの影響はそんなないかな、私は。ないよね、特に?

ハヤシ:酒とか(笑)。

●酒担当って噂はなんとなく聞いてます(笑)。

フミ:お酒は好きですね。近くにいる、年上のカッコいい大人たちのそういう(音楽以外で影響を受けたモノ、コト)話はいっぱい聞いてきたんですけど、私はないんです、本当に。

ハヤシ:そういえば、ないね。

ヤノ:俺もないんですけど、いうたらコーヒーって感じですかね。

ハヤシ:そうそう、コーヒー好きなんだよね。

●お薦めのコーヒーを教えてください(笑)。

ハヤシ:丸山珈琲(軽井沢で生まれたコーヒー専門店)ですかね。あれはもう、おいしいです(笑)。

自分の音楽の幅の部分、コアな部分みたいなのを楽しく見せられれば、
伝わればいいなという気持ちでやってます

●曲作りについて教えてください。今はどんなパターンが一番多いですか?

ハヤシ:今は、自宅ですごい作り込んだものをスタジオでセッションして、さらに作り込むパターンが多いですね。ここ最近は、それが自分にとってやりやすい曲作り、ですかね。最初からセッションの良さもあるんですけれど、年々、濃ゆいものを作りたくて、まずは自分が描きたいフレーズ、世界観みたいなものを作り込んで、歌も(家で)録ってしまうくらいのデモを作って、それをみんなで合わせてどうしていくか。家で打ち込んだものをスタジオでセッションすると、また全然違う曲の雰囲気が出来上がってきて、それをさらに家に持ち帰ってひとりでエディットしたりして、またそれを合わせてって。そうやって作っていきますね。

●自宅ではPCのみで作っちゃうんですか? それとも、PCと自分で楽器を弾いてのミックスですか?

ハヤシ:両方ですね。まずはギターで作曲して、Abletonの『Live』を使ってるんですけど、そこにギターとシーケンス・フレーズとにかく入れて、また編集していくんです。例えばABCD〜っていう感じで作っていくんですけど、『Live』はランダムにそれを再生できるんですよ。だから、Cメロで使おうと思ったリフがイントロにきたり、Aメロで使おうと思ってたものを逆になくしてしまったりだとか、自分の中でプリプロのさらに前の段階のプリプロができるみたいなので、そこで練ったものをふたりに聴かせるっていうのが多いですね。

●1曲ずつ作るんですか? 複数の曲を並行して作るんですか?

ハヤシ:作りたい曲にもよるんですけど、今は1曲1曲作ることが多いですね。もちろん、思いついたフレーズだったりメロディやリズムは逐一録っていって、それを後で曲を作りたい時に持ってきて、自分の中でまとめてっていうこともあります。いろんなパターンの曲、例えばゆったりしたパターンの曲だったり、ちょっと複雑な曲だったり、ミニマルな曲とか、そういうもののアイディアがあれば、どんどん並行して作っていきます。

●人前でパフォーマンスする上で、緊張しないコツや秘訣があれば教えてください。

ハヤシ:僕は極度の緊張しいなんで、今までガチガチだったんですけれど、最近は、ガチガチ過ぎるとライブをあまり楽しめなくなってきてて、19年目にして言うことじゃないんですけど、ここ最近のツアーとかは、ちょっと緩い気持ちで“どうも”みたいな感じで。それまでは“どうも〜!”みたいな、200%の力で挨拶してたんですけど、ちょっと抑えて始めてるんですよね。そうすると、楽しくライブを終えることができて(笑)。

フミ:ハヤシの場合はね。

ハヤシ:僕の場合はね。本当に飛ばしすぎてしまうとどんどん加速していっちゃうんで、それがワンマンになるともたないんですよね。若い頃は良かったんですけど、今はいろんなタイプの曲が増えてきたんで。19年もやっている上に、常に新しいことをやりたいから、そうなるとそれをエンジョイしたいんで、ちょっと緩い気持ちで始めていくっていうのをやってますね。とは言え、どっちにしろステージに立ったらテンションが上がってしまうんで、とにかくあんまりガチガチに構えないっていうのを最近は心がけてますね。

●バイザーにツナギというのがパフォーマンスに影響してるところはあるんですか? 周りからは顔がわからない状態じゃないですか。

ハヤシ:どうなんですかね。昔のほうがあったかもしれないですね。自分がディーヴォ観て“なんじゃこれ?”って思った時みたいな。あの頃はみんな無表情でコンセプチュアルなライブをしてたじゃないですか、もちろんディーヴォも。それで、毎回ライブが40分で終わるみたいな、そういうステージだったけど、さすがにPOLYSICSはそれはできないなと思って。ずっと続けていくうちに見せたいものが変わっていったっていうのもあるから、そこはそこでディーヴォの影響はあるけれど、ディーヴォと同じことはしたくないから、自分の音楽の幅の部分、コアな部分みたいなのを楽しく見せられれば、伝わればいいなという気持ちでやってますけどね。

ミュージシャンになりたいんだったら、
いろんな音楽を聴いたほうがいい、若いうちに

●レコーディングとライブでは、どちらの比重が高いというか、楽しいですか?

ハヤシ:僕、両方なんですよね。ライブも大好きだし、レコーディングも大好きなんですよ。特にドラムの音がむっちゃよく録れたら、“すげー、最高!”みたいな。ドラムの音素材だけでご飯3杯いける、っていうのがあるんですよね。あと単純に、ラックに機材が組まれてるじゃないですか。あれ見るだけで上がるというか、あそこでぜんぜん寝泊りできるなっていう感じもあるんですよね。

フミ:私は完全にライブですね。レコーディングはあんまり好きじゃないよね。なんだろうね?

ハヤシ:なんだろうね(笑)。レコーディング嫌いなのは知ってるよ。

フミ:レコーディングで苦労するわけじゃないですよ。なんかスカッとしないというか。

ハヤシ:毎日同じ時間にスタジオに行って、同じ時間に飯食って。

フミ:なんか緊張状態がずっと続くっていうか、なんかジリジリしたまま、フル・アルバムだとそれなりに期間もあるので、なんかポンと抜けたい、みたいな。

ハヤシ:ライブはそういう意味では話が早いよね。

●ヤノさんはいかがですか? ライブでも、前面に出てMCに混ざるとか、かなり前に出てくるようになったっていうのも含めて(笑)。

ハヤシ:助かってますよ、僕は。

ヤノ:両方いいところがあるというか。ライブは話が早いっていうのもあるし、なんか目に見えてわかるというか。レコーディングはレコーディングで、長い時間をかけて音作りしたりするので、達成感があるし。どっちもどっちですね。

フミ:どっちもどっちって、あんまり良くないんじゃん(笑)。

ハヤシ:だから両方いい(笑)。

●レコーディング時のOKっていうのは、ハヤシさんが出す感じですか?

ハヤシ:そうですね。でも僕がOKって言っても彼が納得いかない時とかは、また叩いたりしますけどね。

ヤノ:いい塩梅のところで決めてます(笑)。

●フミさんのプレイに関しても同じ感じですか?

ハヤシ:やっぱ、もう1回やるわ、みたいなのはあるよね。

フミ:そうですね。シビアにいったほうがカッコいい曲とか、ちょっとリズムが合ってなくてもそのルーズさがカッコ良かったりする曲とか。曲によるんで、求めどころでみんなのジャッジが変わってきますね。

●小刻みに録るパターンだったりとか、一気にライブっぽく録るとかいろんなケースがあると思うんですけど、どのやり方が自分は好きとか嫌いとかあったりしますか?

ハヤシ:ウチらは基本、ダーっと。

フミ:ダーっと録るのが好きですね。

ハヤシ:で、あとで直す。

フミ:曲によってはパーツごとに録ったほうがカッコいいとか、全体的なノリが一緒じゃないほうがカッコいいとか、意図的にバラバラに録ったほうがいいとか、あとで“せーの”で一緒にリズムを録らないとかは選んだりしてますけど。

●来年は20周年ということで、この先POLYSICSはどこへ向かうのか、どうなりたいのか、みたいなのはありますか?

ハヤシ:目標的なところなんですけど、ここまで来たからには続けたいなっていうのはあって。続けていくために、どういった活動をしていくかというところですかね。常に新しいことをしたいんで、そういった面白い部分をお客さんにどうやったら伝え続けていけるのか。その上で、どう長く続けていくのかっていうところしか考えてないかな。

フミ:やっぱり“本人たちが楽しめてないとPOLYSICSじゃない”っていうのが私の中にはあるので、自分たちで新鮮と思えるというか、楽しいと思えることを続けていくみたいなところが今後の目標というか、そういられたらいいなと思いますね。

ヤノ:ふたりとお客さんが楽しくいてくれれば頑張れるかなと。そこはニュートラルというか。あとは、POLYSICS独自の活動っていうのを考えていきたいなっていうのがありますね。今の音楽シーンにおいて、自分たちはずっと浮いてる存在なんですけど、もっと独自な活動をしていけたらなと、漠然とではありますけど考えてますね。

●teenaのユーザーには、ミュージシャンになりたいとか、業界で仕事したいって人が多いんですけど、そういう人たちにアドバイスをお願いします。

ハヤシ:人生の先輩からのアイディアですけど、ミュージシャンになりたいんだったら、いろんな音楽を聴いたほうがいいですね、若いうちに。これ興味ないんだけどなっていうのも聴いたほうがいいですね。後になって、それが全部つながってくるから。特に今はYouTubeとかApple Musicとか、いろんな音楽聴けるじゃないですか。逆に情報が溢れすぎちゃって、何聴けばいいんだっていうのもあるかもしれないですけど。

フミ:なんだったらABCD順でもいい、みたいな。

ハヤシ:そう。僕が今の時代の10代だったら、どんな風に音楽を聴いてたかわからないから、アドバイスうまくできないんですけど、もしこの音楽やりたくて、“ハヤシさん教えてください”って言われれば教えますんで(笑)。あとは、生意気な奴はダメですね。

フミ:ダメなんだ(笑)。

ハヤシ:やっぱり年上に可愛がられないと

フミ:いい生意気もあるよね。可愛がられる生意気って。ツンツンすんなってこと?

ハヤシ:うん。

フミ:俺、わかってるし、みたいな。

ハヤシ:もうダメダメ。あとライブハウスのもの、マイクとか投げちゃダメ(笑)。

ヤノ:あとは、楽屋を出る時はキレイに。

ハヤシ:そう。

ヤノ:来た時よりもキレイ。そういうのが長く続けるコツ。

ハヤシ:そうなんです。性格は良いほうがいいから。驕るなと。

フミ:そうですね。わかりました。

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